ママ振りを着る 親子三代で着る 新鮮に蘇る  

        Before

50代のお母様が成人式に着た振袖です。

お母様は、ご両親に作ってもらった絞りの振袖を、娘さんにも着てもらい、親子二代で同じ振袖を着て成人式に出席して、同じ振袖を着た写真を残したいと思って、娘さんにお母さんが着た絞りの振袖着てくれないと見せたら、娘さんが、「SNSやカタログでよく見る、総柄の豪華で華やかな振袖でと違って、お母さんの振袖の感じ、SNSやカタログでも見ないし、この可愛い感じがする振袖、私着てみたい」と娘さんに言ってもらえたので、どこの呉服屋さんにお願いしたらいいか迷っていたら、勤め先の同僚が「嘉洛さんにお願いしたら、うちも去年仕立て直してもらったのよ相談にしてみたら」と紹介されてお願いに来ました。

                            After

最初に、お持ちいただいた絞りの振袖の状態を見ます。

二十五六年たっているのに、目立つようなシミや汚れがなく、状態としてはとてもいい感じです。

次に、振袖の採寸をします。

採寸すると、娘さんの身長がお母さんより10㎝位高いので、娘さんに着てもらうのには、ほどいて洗い張りして、帯でかくれる所に別な生地を足して、身丈、肩裄、袖丈を娘さんの寸法に合わせて、いっぱいに出して仕立て直すことになりました。

※洗い張り=着物をほどいて反物にして着物のすみずみまで洗剤で水洗いする事。

元の上前と下前の丈の長さがふぞろいな状態で仕立ててあったので、生地を足すのに、同じ長さの着丈になるように調整して生地を足したので、上前と下前の長さが違います。袖丈、肩裄もいっぱいに出して仕立て直しします。

                             After

娘さんが結婚して、振袖を着なくなったので袖を切って訪問着に仕立て直したいという方がいますが、こちらの絞りの振袖の柄(もよう)は、絵羽柄(えばもよう)の振袖なので、袖を短くすると全体のバランスがくずれて良く見えないので、訪問着として着ることをお勧めいたしておりません。

母から娘に、娘から孫娘に受け継いでいけるように、年に一度の虫干しをしていただいて、保管することをお勧めいたします。