着物の虫干しのポイントと時期や仕方

着物の虫干しのポイントと時期や仕方

コロナ禍の中、自宅にいることが多くなり、何年も何十年も箪笥にしまい込んでいる着物をを出してみたら、カビやシミになっている着物や帯が出てきて、お手入れの相談に来られる方が多くなりました。

ご来店いただいた方に、着物虫干ししていますかとお聞きすると、ほとんどの方々は、虫干しをしていませんという答えが返ってきます。

だいたいの方は、着物をよく着ている時は、一日か二日着たあとハンガー に掛けて湿気を飛ばしてから、たとう紙に入れて箪笥に保管していますが、着なくなった着物は虫干しをしないで箪笥に保管したままになりがちです。

ご存知かもしれませんが、正絹の着物や帯、長襦袢、小物は湿気を好みません。

箪笥にしまい込んだままにしていると、湿気が溜まってカビが発生する原因になります。

それは、大切なお着物を長く綺麗に保管するためにも、湿気や害虫を取り除くためにも、定期的に虫干しを行うことが非常に大切です。

虫干しのポイント

湿気を飛ばすのが目的なので、しっかり晴れた日が2日以上続いたAm10 :00pm14:00の間に虫干しを行うことをおすすめします。

箪笥に入っている着物・帯・長襦袢をたとう紙から出して、一枚ずつ裏返し、着物用ハンガー(なければ洋服用でも可)に掛けて直接日光に当たらない部屋で、窓やドアを開けて風通しを良くして湿気を飛ばしてください。また、たとう紙も湿気を取り込みやすいため、着物と同じ部屋で干しておくと良いでしょう。

お持ちの着物や帯・長襦袢を多数お持ちの方は、1日で終わらせようと思わずに数日かけて行ってください。

出す時は箪笥からポンポン出しても、しまう時はたとう紙に1枚ずつたたんでしまうので、けっこう大変な作業になりますので数日かけて行うことをお勧めいたします。

あと虫干ししたくても着物がたためないから、虫干しいない方も多く見受けられます。

そうゆう方は、ネットで検索すれば、たたみ方の情報が出ているので、それを見ながらたためると思いますので、是非虫干しをおこなっください。

湿気の多い日に干すと逆に着物が湿気を吸って、そのまま箪笥にしまうとカビが発生する原因となりますのでご注意してください。

一般的に虫干しは、年に3回の8月、11月、2月、のペースで行うのが良いとされていますが、年3回の虫干しをする方が、見受けられません。

お客様100人にアンケートを行ったところ

1年に何回虫干しますか

3回:0人

2回:2人

1回:23人

0回:47人

着物を着る機会が多いので、あらためて虫干しをしていませんが、季節の変わり目にお手入れに出している方:28人

虫干しをしている方は、母親から着物を着なくても、虫干しをするように言われていたので、するよう(たまに忘れる)にしています。

しない方は、母親の着物や着なくなったご自分の着物がたくさんあるので、面倒くさいし大変なので、虫干しをしない代わりに、着物用防虫剤や防カビ乾燥剤を箪笥に入れているので、枚数に関係なく虫干しをしなくても大丈夫だと思っている方が大多数でした。

ですが、年に三回とは言いませんが、最低年に一回の虫干しをしてください。

年に一回の虫干しをする時期は、晴れ間が比較的続く12月から3月の湿度が30%以下の時に、行うことをお勧めします。

虫干しをする大事なことは

虫干しは着物や帯・長襦袢など和装品の絹物の湿気をとばして、カビから守るためだけではなく、干している着物にカビが発生していないか?シミがないか、変色していないかを確かめる良い機会です。

干し終わったあと着物をたたむときに、カビやシミを発見することもありますますので、よく確認してくださいね

カビやシミを発見しても、硬く絞った布でこすったり、生地を揉んだりしないでください。着物の生地がスレてキズになり、お直しの加工料金が高くなってしまうばかりか、お直しが困難になる場合もあります。また、食べこぼし、汗じみなども、時間が経つと汚れが落ちにくくなります。

お着物の点検中に気がついたことがあれば、ご自分ではなにもなさらず、出来るだけ早く【当店】にご相談することをおすすめします。

虫干しをしないでしまい込んだままにしていると、いざ着る機会ができたとき、箪笥から出したところカビが発生していたり、黄変していたりで、大慌てしてお手入れに出しても、作業工程によっては時間がかかることがありますので、そうゆうことがないように年に一回の虫干しをすることをお勧めします。

事例

*息子さんの結婚が決まったので、何十年ぶりに黒留袖を箪笥から出したら、上前にうす茶色いシミがあったので、ベンジンで拭いてみたらうす茶色のシミが少し白くなって、そのまわりがシミより大きく輪取ってしまった。

と言うお客様の黒留袖を、ベンジンで拭いたところがスレて白くなってしまったので、シミを取り除いてからスレ直しして、輪どったところは水と揮発液で洗ってから、周りに合わせなじませて仕上げします。

*お孫さんの七五三に娘さんが、着物を着たいと言うので、ご自分の訪問着を出したところ、襟のところに茶色いシミがあったので、漂白剤で取れると思って試したら、茶色いシミは取れたけと白くなってしまった。

というお客様の訪問着は、漂白剤で白くなったところを、洗い直して地色と同じ色の染料を描けて、元通りに再生しました。

まとめ

虫干しは、年に数回箪笥から着物や帯・長襦袢・小物類などの和装品を取り出して、日の当たらない室内で風通しを良くして、湿気によるカビや変色から守り、長く着用するための欠かせないお手入れ方法を虫干しと呼びます。

カビやシミを発見しても、硬く絞った布でこすったり、生地を揉んだりしないでください。

着物の生地がすれてキズになりそのため、お直しの加工賃が高くなってしまうばかりか、お直しが困難になる場合もあります。また、食べこぼし、汗じみなども、時間が経つことで汚れが落ちにくくなります。

お着物の点検中に気がついたことがあれば、ご自分ではなにもなさらず出来るだけ早く【当店】にご相談ください。

お問い合わせはこちら