父の大島紬アンサンブル 着たい 着て遊ぶ

Befor

 

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父が良く着ていた大島の着物と羽織があるのですが、シミや汚れがあります。

私としては、父の片身の大島なので、シミや汚れが綺麗になって、わたし寸法に仕立て替える事ができれば、処分しないで着たいと思っています。

大島をもってお店にお伺いいたしますので、見ていただくことは可能ですかとお電話いただいたお客様がご来店いただきました。

着物と羽織のシミと汚れを確認後、男着物のは対丈(ついたけ)なので内揚げがどのくらいあるか測って見ると、6㎝位しかないので帯を結ぶと帯でかくれるところに胴剥ぎ(どうはぎ)して、羽織に付いている羽裏はそのまま使用して、仕立て替えするご提案いたしました。

*対丈=おはしょりせず着られる

*胴剝ぎ=身頃の部分に別布を足して身丈を出します

男性用に仕立てしてあるので、洗い張りします。

*洗い張り=着物をほどいて反物に戻して、きもの全体の汚れやカビ、すじをすみずみまで落とすために、石鹸を使って刷毛(はけ)で水手洗いする方法です。

着物・羽織・羽裏の洗い張りして全体的には綺麗になりましたが、きれいになった分シミが目立ってしまい、このままの状態で仕立てることができないので、お客様にも確認してもらいまして、シミが目立たない色を一色描(ひといろか)けることをご提案いたしました。

元色は黒泥のようですが、黒の色が白っちゃけていてシミが薄茶色になっているところもあるので、シミを目立たなくなるようにこげ茶色を描けかけることにしました。

After

After

 

染めあがった反物を確認してみると地色も茶色く染まったので目立っていたシミも分からなくなり、新しい大島に甦りました。

女性着物はおはしょりが必要なので、身丈が足りない分足し布剥ぎ加工して仕立て直しました。

お客様に羽織の裏も洗ってキレイになったので、付いていた羽裏をそのまま使用したらどうですかとご提案しましたら、使えるなら使ってほしいということで、そのまま使用しました。

羽織と羽裏の縫込みもありましたので長羽織に仕立て直しが出来たので、大変喜んでいただきました。