母に見てもらいたかった引き振袖

 

振袖を引き振袖にできますかという問い合わせの方が、産まれて、3ヶ月ぐらいのお子さんとご一緒に来られたので、結婚式はお済みじゃあないんですかとお聞きしましたら、「コロナの影響で、三年間伸び伸びになっていた結婚式を、やっと秋に式を挙げることになり、振袖を引き振袖にお直しして、着たいと思い入れがあります。」と言う方が、ご来店くださいました。

「実は去年、結婚式を楽しみにしていた母が、結婚式を見せることなく亡くなりました。」

「私としては、母に誂えてもらった振袖を、結婚式に出席することが出来ない母の形見として、引き振袖にお直して結婚式に着たいと思っています。」

早速、振袖を見せていただいて、身丈がどのくらいかを測り、内揚げにどのくらいの生地が入っているか確認して,どのようにお直しするか判断します。

ご自身の振袖なので、内揚げに入っている生地をいっぱいに出してしても、丈が少し短いので比翼をつけて、綿(4㎝)を比翼と八掛の裾に、それぞれに入れて仕立てしますので、内揚げ分16㎝とふき綿分8㎝あわせて24㎝長くなる分、胴裏に生地を足しはぎ加工して、長襦袢と共にお仕立てしますので、出来上がりを楽しみにお待ちください。

とご提案いたしました。

 

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