振袖を引き振袖にできますか?とお問い合わせいただいた、M・S様親娘ご来店いただきました。
お母様が、成人式に着用しました振袖を、引き振袖にして娘さんの結婚式に着せたくて、何軒か問い合わせてみましたが、納得行く説明が得られなかったので、ネットで検索したら、和裁士がいる嘉洛さんを見つけて、嘉洛さんならいい提案をしてくださると思って来ました。
娘さんは、お母さんの振袖を成人式の時に着たのですかとお尋ねしたら、気に入らなかったようで新しく誂えたそうです。
お母さん的には、親子二代で着たところの写真を、残したいという思いがあるので、成人式には着てもらえなかったので、結婚式には引き振袖に仕立て直して、着てもらいたいというお母さんの思いを、娘さんも理解して結婚式に着ます。
ということで、さっそく振袖を見せていただき、総柄(総模様)なので引き振袖にはにぴったりで、お母さんの時代にはあまりない柄だと思いますよ。
ご自身で選ばれたのですかとお尋ねしましたら、「最初に見てとっても気にいったので、他の振袖は見向きもしないで決めました。」と嬉しそうにお話ししてくれました。
つぎに振袖に内揚げがどのくらい入っているかで、引き振袖に適しているかが決まります。
身丈の長さが現在の着物よりどのぐらい必要か、まず最初に内揚げにどのぐらい生地が入っているか確認することで、どのようにお直すか判断します。
身長が152㎝の娘さんに、引き振袖として着れるか、着物の寸法を測ってみると、身丈が4尺(151.5㎝)で、内揚げを測ってみると6寸(22.5㎝)あり、合計すると4尺6寸(174㎝)になり、さらに、ふき綿9分(3.5㎝)を八掛と比翼地(別染め)に、それぞれ入れて比翼仕立てするので、身丈が4尺7寸8分(181㎝)、縫い込みを引いても十分な丈になりますが、丈が長くなる分、胴裏と八掛に足し布はぎ加工して、長襦袢と共に娘さん寸法でお仕立てしますので、素敵な引き振袖に仕立て上がりますので、出来上がるのを楽しみにお待ちください。
とお母さんと娘さんにご提案いたしました。